自分の納めている国民年金の保険料が将来いくらになって戻ってくるかご存じですか?そもそも保険料を納めていますか?「本当は払っておきたいけど、払いたくても払えないんだ!」という方がほとんどなのではないでしょうか。
年々上がる保険料は平成26年度で15,250円。毎月支払うことを考えると、けっこうつらいですよね・・・。その気持ち、わかります。「どーせもらえないんだから、保険料を納めてもムダ」と思い払ってない人もいるでしょう。
実際、国民年金の納付率は約65%。3分の1が納められていない状況です。厳しい状況にある国民年金ですが、将来を考えてしっかり納めておくことを強くお勧めします。少しでも皆さんのためになるように今回は、個人事業主の年金についていくつか紹介します。
目次
個人事業主の年金ってどうなってるの?サリーマンとは別??
個人事業主とサラリーマンの年金の仕組みは違います。年金の仕組みはしばしば家に例えられますが、サラリーマンは国民年金(1階)、厚生年金(2階)の2階建てで会社によっては企業年金(3階)とい3階部分があります。
個人事業主は基本的には国民年金(1階)の1階立てで、個人で国民年金基金などの2階部分を上乗せします。
個人事業主がもらえる年金の種類は?
国民年金
受給資格
20歳~60歳の被保険者期間で25年以上の保険料納付済期間(保険料免除期間も含む)が必要となります。保険料を24年と11ヶ月分払っていても、国民年金は1円も受け取ることができません。
受給金額
保険料を納めた期間によって変わりますが、40年納めた場合の満額で年間77万円(月6.4万円)以下の年金額は、簡易計算による受給額です。
国民年金基金(任意)
受給資格
国民年金の第一号被保険者(自営業者)で実際に保険料を納めていること(加入は任意だが、任意の脱退は認められていない)
受給金額
掛け金を上限6万8000円(月額)までの範囲で選択できます。その内容によって受給金額は変わりますが、上限6万8000円(月額)を40年ほど払った場合、月額12万円ほどの受給額になります。
国民年金基金の計算シミュレーション:年金額シミュレーション
付加年金(任意)
受給資格
国民年金の第一号被保険者(自営業者)であること
受給金額
保険料は400円(月額)とかなり低くく、お得な年金です。65歳から支給される国民年金の受給額に付加年金の受給額(「200円×付加年金保険料納付月数」)が上乗せされます。
例えば、付加年金の保険料を30年支払った場合は、国民年金の年間の受給額に72,000円(200円×12ヶ月×30年)が上乗せされることになります。
確定拠出年金(任意)
受給資格
国民年金の第一号被保険者(自営業者)であること
受給金額
掛け金を上限6万8000円(月額)としていて、その6万8000円から国民年金基金の掛け金を控除した分の掛け金にて運用することになります。もし国民年金基金に満額の6万8000円を納めていれば、確定拠出年金の掛け金は0円になりますので確定拠出年金はできないことになります。
確定拠出年金は個人で運用していくものなので、受給額がいくらになるということは言えません。
老後の受給額はどれだけもらえるの?
いろいろ書きましたが、結局いくらもらえるのか?そこが一番きになりますよね?
国民年金のみの場合は約77万円、国民年金と国民年金基金の両方が満額の場合は約217万円、国民年金と付加年金の両方が満額の場合は約83万円、国民年金と国民年金基金と付加年金の全てが満額の場合は約223万円ほどになります。
びっくりしませんか?国民年金基金を除けば、毎月6万~7万円です。自営業者に定年はなく、ずっと現役でいられるとはいえ、正直少なすぎです・・・。こんな金額でどうしろというのか!!個人で対応していかない限り、将来立ち行かなくなることは明白です。
年金の未来
「会社員が知れば得する年金計算!あなたはいくら貰える?」でも書いていますが、年金そのものがなくなることはないでしょう。しかし、支給開始時期は65歳から70歳に上がり、支給額も現在の金額の30%減くらいになることは覚悟しておいた方がいいでしょう。
年金の受給資格の保険料払い込み期間を25年から10年に短縮し、年金の受給をできるだけ全国民に行うという動きもあります。まだ確定ではありませんが今後起こりえます。そうなれば、なおさら受給額は下がります。
FPのワンポイントアドバイス
サラリーマンと同様、国民年金の繰り下げ支給を検討すべきです。繰下げ支給とは受給開始年齢を遅らせることで、毎年受け取る受給額を増加させることができる制度です。本来受け取ることができる65歳の受給開始年齢を最大で70歳まで遅らせることができます。
70歳からの繰り下げ支給を行うと、65歳から年金受給を開始した場合に比べて、月額の年金受給額が3万円ほどあがります。けっこう大きいですよね。繰り下げ支給で70歳受給開始にした場合、受給開始時期を遅らせているので、79歳以上生きないと65歳受給開始に比べて、生涯受給年金額で損をしてしまうことになりますが、生涯受給年金額で考えるのはナンセンスです。
年金は生活していくためにもらうお金なので、生涯総額の受給額が大事なのではなく、毎月、毎年もらえる受給額が大切なのです。毎月6万円を30年もらってもしょうがないんです。6万円ではまともな生活はできないのですから、少しでも月々の受給額を上げれるようにしましょう。
まとめ
こんな状態なら、やっぱり保険料を払うなんてバカらしいと思ってしまうかもしれませんが、ここで判断を誤れば何十年後か先にまともな未来は待っていません。暗い話になってしまいましたが、これが現実です。
まわりをどれだけ探しても、年間77万円も終身で支払う年金など国民年金以外にありません!老後の設計を行う場合のほとんどは、年金で補えない部分をどうするか考えるのであって、年金を受け取ることは大前提です。厳しいかもしれませんが、頑張って向き合っていきましょう!

北野圭

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