「金利」っていう言葉をニュースやCMでよく聞きますよね。なんとなく分かるけど、よくわからない人は多いのではないでしょうか。他にも「利息」とか「利子」とか、似たような言葉がたくさんあるけど、何がどうなの?って感じですよね。
興味がなければ、聞き流してしまいがちですが、知っておくと絶対に得ですよ。逆に知らなければ、自分が損をしていることにも気づかずに毎日を過ごすことになるかもしれません!金利の勉強をしておくと、住宅ローンを使って家を購入する場合、固定金利や変動金利を理解できますし、資産運用をする場合は、単利や複利を理解できるようになります。
これらを知ることは、自分のお金を増やしたり、守ったりすることに直結するんです。そう言われると、じゃあ知ってみようかなと思って興味がわきませんか?その基本となる「金利」「利子」「利息」について、これから解説します。
目次
金利って何?
金利とはお金を借りる時のレンタル料のようなものです。レンタルビデオ店でDVDを借りる時にレンタル料を支払いますよね?レンタル期間が終わる前にDVDは返しますよね?それと同じです。当然ですが、お金も借りた金額はそっくりそのまま返します。そして、借りるために一定の金額を返すまで支払い続けます。それが金利です。
正確には金利はお金そのものではなく、パーセンテージで示される率です。金利1%で100万円を借りたのであれば、1年で1万円のレンタル料が発生するということになります。金融関係の言葉は普段なかなか目にしないので、難しく思われがちですが、内容はけっこうシンプルな物が多いんですよ。
固定金利と変動金利の違いって何?
固定金利
固定金利は金利が借りた当時と変わらず、借りたお金を返すまでずっと一緒です。変動はありません。固定金利のメリットは金利が一定なので、返済額も常に一定となり、将来設計が立てやすい点にあります。借りた後に金利が上がっても下がっても関係ありません。
デメリットは、金利が下がった場合です。返済額は借りた当時の金利が適用されるので、金利が下がっても返済額は下がりません。
変動金利
変動金利は金利が変動します。借りた当時が2%でも、その後3%になったり1%になったりします。変動金利のメリットは金利が下がった場合に返済額も合わせて下がるということです。
デメリットは金利が上がった場合です。返済額も合わせて上がってしまいます。返済額が変わってしまうので、将来設計が立てづらくなってしまいます。
名目金利と実質金利の違いって何?
実質金利とは物価の変動を考慮した金利のことを言います。逆に物価の変動を考慮しない、金利を「名目金利」と言います。実質金利と名目金利の関係は以下の通りで、実質金利<名目金利の場合はインフレ、実質金利>名目金利の場合はデフレとなります。
【計算式】
実質金利=名目金利-物価上昇率
どういうことか?例えば、名目金利1%で預金したとします。1年後は1%の利益がでているので、得した気持ちになりますが、物価が1%で上昇していれば、得も損もない状態となります。物価が2%上昇していれば、1%の損となります。
普段、僕達が目にしている金融機関の金利というのは名目金利になります。資産運用をするのであれば、名目金利ではなく、実質金利で考えなくてはなりません。物価上昇率に注意しましょう!
例1)名目金利:1%、物価上昇率:1%の場合(実質金利:0%)
100万円の車と100万円の貯金を例に考えましょう。物価上昇率が1%なので、今年100万円の車は来年には101万円になります。では貯金はどうなるのか?名目金利が1%なので、今年100万円の貯金は来年には101万円になります。
貯金だけを見れば、1万円増えているので得した気持ちになりますが、車も1万円値上がりしているので、今年車を買っても、来年車を買っても貯金と車の値段の差額は0円となり、実質的な損得はありません。
例2)名目金利:1%、物価上昇率:2%の場合(実質金利:-1%)
100万円の車と100万円の貯金を例に考えましょう。物価上昇率が2%なので、今年100万円の車は来年には102万円になります。では貯金はどうなるのか?名目金利が1%なので、今年100万円の貯金は来年には101万円になります。
貯金だけを見れば、1万円増えているので得した気持ちになりますが、車は2万円値上がりしているので、今年であれば貯金だけで車を買えますが、来年は赤字になってしまいます。お金は増えているのに、実質的な意味では損をしているんです。
金利と景気の関係
現在の金融機関の金利は知っていますか?以下に2015年5月時点の金融機関の普通預金の金利を書きました。
ほとんどが0.020%です。0.020%ということは100万円を1年預けても200円しか貰えないということです。普段、金融機関に貯金するとき、僕たちは金融機関にお金を貸している意識があまりないと思いますが、貯金するということはお金を貸すということと同じです。
その貸したお金のレンタル料に相当する金額が1年で100万円あたり200円になるというわけです。100万円で200円・・・。ATMの手数料とほぼ同じ・・・。あまりに低すぎて、貯金することがバカバカしくなりますよね。実はそれが国の狙いです。
金利を下げると貯金してもお金を増やせないため、株を買ったり、投資信託をしてみたり、普通預金以外の金融商品を買ってお金を動かそうという心理が働きますし、金融機関からお金を借りる一般企業から見れば、返済額が下がるのでお金を借りやすくなります。
お金が動けば、市場にお金が流れて、いろんな仕事が増えたりして、企業の業績が向上していくことが期待できます。1990年代にバブルが弾けて以来、日本の景気は低迷しているので、景気を上げるために金利を下げて、景気を活性化しようとしているのです。
逆に、金利を上げると一般企業は返済額が上がるので、お金を借りにくくなり、企業の投資意欲は下がります。貯金するだけお金は増えていくので、貯金する人が増えて、市場にお金が流れなくなり、景気は落ち着いていきます。
景気は上がり過ぎると弾けてしまうので、上がったら下げて、下がったら上げるということを繰り返していくんですが、金利がそのスイッチの役割を果たしているんです。なので、今は普通預金の貯金ではなく、資産運用を勉強しなければならないんです。
利子って何?利息って何?
利子も利息も同じ意味です。金利はパーセンテージで表現される率ですが、利子や利息は金額そのものです。金利1%で100万円を預金した場合、1万円が1年後に貰えます。その1万円が利子であり、利息なんです。
単利と複利の違いって何?
単利
単利は利子が常に一定です。金利1%で1000万円を預金した場合、1年後に10万円が貰えます。2年後、3年後も変わらず10万円です。それは単利の場合、利子が常に1000万円から計算されているからです。
1年目の利子:1000万円×10%=10万円
2年目の利子:1000万円×10%=10万円
3年目の利子:1000万円×10%=10万円
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複利
複利は利子が1年1年増えていきます。金利1%で1000万円を預金した場合、1年後に10万円が貰えます。2年後の利子は「1年目の利子+1000万円」から計算されるので、10万円より少し増えます。3年後の利子は「1年目の利子+2年目の利子+1000万円」から計算されるので、10万円よりさらに少し増えます。
1年目の利子:1000万円×10%=10万円
2年目の利子:(1000万円+10万円)×10%=10万1000円
3年目の利子:(1000万円+10万円+10万円)×10%=10万2000円
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まとめ
金利、利子、利息を勉強すると、お金の動きがわかってきます。今後はお金を銀行に預けるだけでなく、個人で資産運用をしていく必要があるため、お金について勉強することは非常に重要です。まずは興味を持ち、少しずつでもお金を学び、自分の資産を守っていきましょう。
今はまだ必要に迫られていませんが、必ず必要になる時代がきます。そんな時に慌てなくてもいいように準備しておきましょう!!

北野圭

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