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ピケティから学ぶ所得格差。これからの働き方と稼ぎ方とは!

ピケティとはフランスの経済学者で、「21世紀の資本」という本を書いた人です。富裕層と貧困層の所得格差を膨大なデータから分析したこの本の内容は非常に興味深いものでした。今話題の「21世紀の資本」について紹介します。

ピケティが導き出したr>gの不等式とは

世界的に有名になった不等式「r>g」とは何か?ピケティはITを駆使して過去の膨大なデータからこの不等式を導きました。rとは資本収益率、gは経済成長率を意味します。分かりやすく言うと資本収益率は「投資による収入」で経済成長率は「サラリーマンや自営業者の労働による収入」と表現できます。

なので「r>g」を書き換えると「投資による収入>サラリーマンや自営業者の労働による収入」となります。ピケティがこの不等式で何を伝えたいかというと、過去の歴史から見て、投資家の収入は労働者の収入を常に上回っているということです。

投資家は莫大な資産を元に投資でさらに収益を上げていくが、低成長のこの時代ではサラリーマンの給料の増加はあまり期待できず、今後、この収入の差がますます拡大していくことで富裕層と貧困層の格差がさらに広がっていくということを指しています。

格差が注目されてきたのはなぜ?

言ってしまえば、格差なんてものは常にありますよね。どの時代にもお金持ちはいるし、お金に困っている人もいます。では日本の中でも格差が注目されてきたのはなぜか?それは不景気がずっと続いているからです。

全体的に見てどんなに格差があっても好景気でほとんどの国民がお金に困ってなければ、周りのことは気になりません。「自分もまぁまぁいい生活できているし、まぁいっか」という感じでしょう。しかし、不景気が続き、低成長による低所得が日本を包んで20年。

貧困層の割合が増加して、だんだん周りに対する不満が日本全体にたまってきます。「なんであいつだけ!」、「なんで僕はこんなに貧乏なのに、あのひと達はお金持ちなんだ!」という気持ちが溢れて、「格差」という言葉が最近よく聞かれるようになったのでしょう。

所得格差とはいったい何か?

所得格差とは、その名の通りで、富裕層と一般層、貧困層との所得の格差を言います。所得格差を示す指標として、「国民総所得に占める富裕層トップ10位のシェア」というのがあります。これはどういうことかと言うと、例えば、国民の年間総所得が100億円で、富裕層が10人、一般の国民が100人いる国があったとします。

所得格差はその100億円の内訳がどのような状況にあるかで判断するのですが、富裕層トップの10人の人達が年間で合計10億円を稼いでいるなら、残りの90億円は一般の国民の合計所得となり、一般の国民は一人あたり年間900万円の所得があることになるので、所得格差が実際はあっても、生活に困るほどの収入ではないため、問題にはあまりなりません。

しかし、富裕層トップの10人の人達が年間で合計70億円を稼いでいる場合は、残りの30億円が一般の国民の合計所得となり、一般の国民は一人あたり年間300万円の所得となります。国民のほとんどが低収入となり、生活に困り、所得格差が問題視されます。

所得格差は、合計所得の総額に対して、富裕層がどれだけのシェアがあるのかで判断するのです。大きければ、それだけ収入に格差があり、富は富裕層に集中していることになります。

世界の格差と日本の格差

第二次世界大戦後、1950年~1980年頃のアメリカの所得格差は34%前後で、大きな格差はありませんでした。それは戦争によるダメージが経済に影響を及ぼしていたことを表していますが、1980年以降は年々増加し、2010年には50%にまでなりました。

経済が回復し、r(資本収益率:投資の収入)がg(経済成長率:労働による所得)を上回り続けて、格差が拡大してきたのです。では日本は?日本も第二次世界大戦後の1950年~1980年頃は30%くらいで、大きな所得格差はありませんでした。高度経済成長期を経て、2010年には39%ほどまで上がってきましたが、アメリカほどではありません。

ですが、今の日本には富裕層への富の集中以外の原因で所得格差が拡大しています。それは単純に貧困層の拡大です。富裕層の所得がそんなに上がっていないのに、貧困層の所得が低下することで、所得格差が広がっているのです。

非正規雇用者の拡大、高齢者の増加や労働人口の現象に伴う社会保険料増加など、今の日本国民には「国の借金」によるツケがじわじわと忍び寄ってきていて、所得が単純に減っているのです。これにより、所得格差がより加速しているんですね。

これからの働き方と稼ぎ方

「r>g」の不等式を考えれば、普通に働くよりも投資による不労所得を得るほうが断然お得です。しかし、じゃあ投資を始めようと言えるほど現実は簡単ではりませんよね。投資をしたくても投資するまとまったお金がなければ、生活していくだけのリターンを投資で得ることは難しいですし、リスクも伴います。

もともと資産を持っていない普通の人達がどうすれば、よりより生活を送ることができるのか?もちろん、金融商品を勉強して時間をかけて投資により収入を作り出す道もあるとは思いますが、他に方法はあるのか?実はピケティは資産=金融資産と定義しているわけではありません。

金融資産だけでなく、人がもつ個人のスキル、知識、人脈、健康など、あらゆるものを資産としています。ではその個人の資産をどのように収入につなげていくのか?

現役時代(20歳~60歳)

今のサラリーマンとしての仕事に全力で取り組みながらも、まずは人脈を広げましょう。同じ会社だけでなく、広い交流を持つことで、ビジネスチャンスが生まれます。副業もどんどんやるべきです。失敗を恐れず、チャレンジするべきです。20歳~60歳の間はとにかく次の世代に伝えられるような経験を積みましょう。

その経験がかならず、老後に活きます。社会は変化しているので、その社会に生きる我々もその変化に気づき、対応していかなくてはなりません。親の世代は結婚すると夫は働き、奥さんは専業主婦という時代でしたが、今は夫婦共働きが主流になっています。低成長による低所得によって一つの家庭に2つの収入の柱が必要になったということです。

これは大きな変化です。今後は1人に対して1つの仕事ではなく、2つ以上の仕事を行う兼業が主流になると僕は予想しています。今後は労働の所得と不労所得の2つが必ず必要になります。

老後時代(60歳~死ぬまで)

人であれ物であれ、価値(単価)は需要と供給で決まります。今後、20年、30年後の高齢者の環境は今と大きく違っています。高齢者の増加と労働者の減少により今以上に高齢者の働き手としての価値は向上しているはずです。

そうなれば、例え定年により引退した後でも働き手として、現役と同じくらいの収入を得ることはできるはずです。現役時代に身につけたスキルや人脈を使って、所得を作り続けましょう。そのためには、なによりもまず健康でなければなりません。働くための最低条件は健康であることです。

まとめ

ただ働くだけのサラリーマンの時代は終わりました。ただ働くだけでは「r>g」の波に飲み込まれてしまい、貧困層から抜けられなくなります。これからは、個人でも所得を作っていくことができるサラリーマンでなければなりません。どの年齢でどんな所得を作っていくのか、どうすればいいのか、失敗しながらでもチャレンジしましょう!

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北野圭

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