所得は10種類に分けることができます。ではなんで、わざわざ分けるのでしょうか?それは、税金を計算する時にそれぞれの価値を考慮して計算するためです。それはどういうことでしょうか?
例えば、株などで偶然儲けた100万円と汗水流して働いた100万円は同じ価値でしょうか?金額は同じですが、偶然儲けた100万円と汗水流して働いた100万円の両方から同じ額の税金をとられたのでは、ちょっと納得いきませんよね。
できるなら、一生懸命働いた100万円の方の税金は少なくしてほしいですよね?だってたくさん時間かけて頑張ったんだもん。こんな感じで、同じ金額でもどのうような所得かによって、税金の計算を変えているんです。まぁ、実際は投資で儲けるためにも汗水を流す努力は必要なんですけどね。
目次
利子所得
預貯金や公社債の利子などが利子所得になります。みなさん、銀行にお金を預けてますよね。その預貯金の利子で得たお金は利子所得になるんです。利子所得は一律20%の課税となります。
銀行の普通預金はだいたい0.03%なので、1000万円の貯金の場合、利息は3000円。税金は一律20%なので、3000円の20%の600円が税金として引かれます。1000万円で600円の税金がかかるということです。
600円と聞くと大した金額ではありませんが、3000円の利息から引かれると思うと大きいですよね。そもそも3000円の利息ってなんだよ(怒)
配当所得
法人から受ける利益の配当金が配当所得になります。株や投資信託で儲けたお金のことですね。課税の方法は他の所得と合算する総合課税や他の所得と分離して課税する申告分離課税、申告不要の源泉徴収があります。申告不要の源泉徴収であれば20%の課税です。1000万円の配当があった場合は、200万円が税金として引かれることになります。
不動産所得
不動産所得とは、土地、建物の貸付による収入を言います。分かりやすく言えば、大家さんにとっての「家賃」や地主さんにとっての「地代」等のことですね。不動産は総合課税なので、他の所得と合算されてから税金が計算されますが、不動産所得のみで1000万円儲けたとすると、累進課税の税率は33%になるので、税金は176万円になります。
山林所得
山林所得とは、山林の伐採や譲渡による所得のことを言います。まぁ、一般人には関係ない所得ですよね、ぶっちゃけ。だって普通の人は山なんて持ってませんもん~。ちなみに、山林所得は、植林から伐採まで、ものすごく時間をかけて得る所得のため税金は軽減するよう配慮されています。1、2ヶ月で木は育ちませんもんね・・・。
事業所得
事業所得は、農業・製造業・卸売業・小売業・サービス業など事業から発生する所得のことです。スポーツ選手や作家、個人経営している弁護士、税理士、FPも原則、事業所得です。不動産と同様、総合課税となります。
給与所得
サラリーマンの給与のことですね。給与所得も総合課税です。他の所得もそうですが、所得金額は「収入金額-必要経費」です。不動産や事業などの経費は明確かもしれませんが、サラリーマンにとっての経費とはなんでしょう??
会社に着ていくためのスーツ?ネクタイ?仕事に必要な資格取得にかかった参考書代?いまいちはっきりしませんよね。なので、サラリーマンには「給与所得控除」という収入に応じた控除額というのが決まっています。1000万円の収入の場合、「収入金額×5%+170万円」が給与所得控除なので、220万円が控除されます。
1000万円から220万円を引いた780万円に対する累進課税の税率は23%になるので、115.8万円が税金になります。
退職所得
退職金など、退職を理由に得る所得のことです。退職金は他の所得とは合算せずに計算します。勤務年数が上がっていくにつれて、控除額も上がっていきます。30年勤めて、1000万円の退職金をもらった場合、控除額は1500万円になるので、退職所得は「-500万円」となり、税金はかかりません。
何十年も勤めて、頑張ってもらったお金ですから、控除額が大きくなるのは当然ですよね。
譲渡所得
資産の譲渡による所得なので、なにかしらを売った場合に得るお金ということになります。何を売るかで、他の所得と合算して計算するのか、譲渡所得のみで計算するのか分かれます。
一時所得
一時的に入ってくる臨時収入みたいなお金です。懸賞、福引の賞金や競馬、競艇の払い戻し金、生命保険の保険金などが該当します。総合課税なので、他の所得と合算されて計算されますが、控除額が大きいのがこの一時所得の特徴です。
一時所得は「(収入-支出-特別控除額(最高50万))÷2」なので、例えば、1000万円の保険金(総保険料が100万)を得た場合の一時所得は425万円となり、425万円に対する累進課税の税率は20%になるので、税金は約42万円になります。
雑所得
1~9に該当しない所得のことを言います。総合課税なので、他の所得と合算されて計算します。実は年金として受け取るお金はこの雑所得に分類され、税金がかかってしまいます。仕方がないことではあるんですが、年金にも税金がかかるなんて・・・。う~ん、なんだかなぁ~(泣)
まとめ
上記の計算結果は概算なので実際とは少し異なります。ご容赦下さい。実際は様々な控除額が関わってくるので、税率を乗じる金額が小さくなることがあるんです。これからの時代は給与所得以外の所得も作っていくべきなので、これらの情報は知っておいた方がなにかと便利ですよ。

北野圭

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